「環境ビジネスは大企業のもの」──そう思い込んでいた社長が見つけた、たったひとつの突破口

2025年10月6日 2025年10月6日

toyotama@concreate.jp

1. 「環境対応か…。うちには無理だよ」

「最近“脱炭素”とか“SDGs”とか言うけど、結局は大企業の話でしょ。」

千葉の郊外で製造業を営む佐藤社長（仮名・52歳）は、会議室で部下にそうつぶやきました。
取引先からは「今後は環境基準を満たしていないと取引できない」と言われることも増えています。

しかし、
新しい設備を入れるにはお金がかかる。
補助金を調べても、申請は複雑。
何より、“環境”と自分たちの仕事がどう関係するのかがピンとこない。

「うちみたいな会社が環境のことを考えても、現実味がないんだよな…」
そう思った瞬間、佐藤社長の頭の中で“未来への扉”がまたひとつ閉まりました。

2. 「環境＝設備投資」ではない

実は多くの中小企業が、佐藤社長と同じ誤解を抱えています。

「環境対応＝お金がかかること」
「環境ビジネス＝大企業の領域」

──これ、完全に“思い込み”です。

本当の「環境ビジネス」は、“発想の転換”で今ある資産を再定義することから始まります。

たとえば、ある町工場では、
廃材として捨てていたアルミ片をリサイクル業者と提携し、
“サステナブル素材ブランド”として再販売しました。

結果、新規取引先が増え、地域新聞にも掲載。
しかも「環境に優しい町工場」として若手採用にもプラスに働いたのです。

3. では、突破口はどこにあるのか？

答えは──
**「自社の強みを“環境視点”で言い換えること」**です。

たとえば：

このように、“環境ビジネス”は新しい設備ではなく、価値の再発見なのです。

4. 「強み×環境」で新しい物語が生まれる

ここで、もう一つの具体例をご紹介しましょう。

千葉県内のある素材加工会社は、
放置竹林の活用という地域課題に目をつけました。

長年手入れされず荒れていた竹林は、
もともと地元の人たちにとって“厄介者”でした。
しかしこの会社は、
「竹を資源として再生できないか？」と考えたのです。

そこで着目したのが──
セルロースナノファイバー（CNF）。

竹を細かく分解して得られるこの繊維は、
鉄の1/5の軽さでありながら、5倍の強度を持つ“夢の素材”。
同社は大学との共同研究を通じて、
竹からCNFを抽出し、プラスチック代替素材として商品化に成功しました。

結果、
・地元竹林の整備による環境保全
・新たな雇用の創出
・企業ブランドの向上
という“三方よし”の事業へと発展。

しかも、従来の設備を大きく変えることなく、
「地域資源×技術×環境価値」という新しい視点で
**“自社の延長線上でできる環境ビジネス”**を形にしたのです。

5. 次にやるべきたったひとつの行動

最初の一歩は、大きな投資ではありません。
「自社の強みを環境視点で言い換える」ことから始めましょう。

・長く使える
・地元で作る
・手間を惜しまない
・修理して使う

──こうした何気ない日常の姿勢こそが、
実は“持続可能性の原点”です。

そして、それを**「誰に、どんな未来を届けたいのか」**という言葉で語ることで、
あなたの会社は“環境ビジネス”という新しいフィールドへ自然に踏み出せます。

6. まとめ：環境は未来への“切り札”

環境ビジネスとは、遠くのトレンドではなく、
足元にある課題を価値に変える発想です。

竹林のように“放置されたもの”の中に、
新しい市場の芽が眠っているかもしれません。

思い込みを捨てて、
もう一度、自社の周りを見渡してみてください。

それでは (^^)/