値決め
こんばんは、豊田です。
今日は「値決め」について考えてみます。
京セラの稲盛会長は「値決めは、経営である」とおっしゃっています。
初めてこの言葉を知った時はピンときませんでした。
しかし、よくよく考えてみると、「モノの値段」というのは誰が決めるかということです。
買い手にとっての売価の10%の増減はさほど大きな問題ではありませんが、売り手にとっては、利益に直接影響してきます。
つまり、売り手と買い手では価格に対する認識がアンバランスであるということです。
そこで、売り手が「値決め」をするときのタブーについて考えてみます。
1.価格を原価で決めてはいけない。
どういうことかというと、お客さんは商品のマテリアルにお金を払うのではなく、その商品の価値にお金を払うということなので、決してコストではないということです。
コストでないなら何でしょう?それは価値に対する投資です。
自分の将来の幸せ実現するための投資なので、お客さんにとっては売り手の原価など関係ないのです。
唯々その商品の価値に対して対価を払うのです。
だから、売り手は自分の商品の価値を適正に判定する能力を養う必要があります。
2.業界の常識に従ってはいけない。
どういうことかというと、競合や同業者や同じような商品と同等の価格をつけるということです。
よくリーズナブルな価格などと言いますが、便利な言葉ですよね。
しかし、考えてみてください。こんないい加減な「値決め」はありません。
何も考えていないのと同じです。
3.お客さんの言いなりになって、値下げをしてはいけない。
どういうことかというと、低価格戦略は大企業の戦略ですから、年商1,000億円くらいの企業規模になってからやればいいのです。
競争戦略の権威、マイケル・ポーターは「戦略の要諦は、競合よりも高価格をチャージすること」と言っています。
小さい会社は価値を高価格で売るための工夫をすることです。
1,000円のお客さん1,000人と1万円のお客さん100人とでは売り上げは、どちらも100万円ですが、お客さんの質は全く違います。
上質なお客さんの方がトラブルが少ないとのデータもあります。
つまり上質なお客さんをたくさん集める方が、会社の資源やリソースの有効活用という面からも効率のいい、安定的な経営ができるということです。
そのためには、品質を上げる、戦略を練る、ポジショニングを変える、マーケティング計画を脳が捻じれるほど考えて、高いものを喜んで買ってもらうようにしましょう。