ビジョンはあるのに、なぜ集客できないのか?

ビジョンはあるのに、なぜ集客できないのか?
―小売業が今こそ見直すべき「お客様視点の事業コンセプト」―
「ウチにはビジョンがある。夢がある。でもお客様が来ない。」
そんな悩みを抱えている小売店の経営者さん、意外と多いのではないでしょうか?
実際、私が関わる現場でもよく聞く声です。
たとえば、
「地域の人々に元気を届けたい」
「全国に広げていきたい」
「おしゃれな空間でモノを売りたい」
どれも素敵な想いです。
でも――
お客様にとって、それって「自分ごと」でしょうか?
「ビジョンがあるのに売れない」本当の理由
集客に悩むお店に共通しているのは、
「自分たちがどうなりたいか」は語れても、
「お客様がどうなれるか」が語れていないという点です。
つまり、
お客様視点が、抜けているんです。
「こんな店をやりたい」ではなく、
「このお店を通じて、お客様はどんな未来を手に入れられるのか?」
そこが伝わらなければ、いくらSNSやチラシを頑張っても、お客様の心には届きません。
今、求められているのは「お客様視点の事業コンセプト」
じゃあ、どうすればいいのか?
それが、次の4つの要素で考える事業コンセプトの再設計です。
①誰の(ターゲット顧客)
あなたの商品・サービスは、「どんな人の、どんな悩み」に向けたものですか?
②何を(提供価値)
その人に対して、「何を提供」していますか?
商品?体験?気づき?それとも解決策?
③どうする(方法・手段)
その価値を、どんなやり方で届けていますか?
接客?空間演出?ストーリー?素材へのこだわり?
④するとお客様はどう感じて、どう行動するか?
そして受け取ったお客様は、
どんな気持ちになって、どんな行動を取るのでしょう?
例えばこんな感じです
✕ 以前の例:
「こだわりの国産雑貨を通じて、地域に貢献したい」
◎ 再設計例:
「忙しい日常の中で、“ほんの少し心が安らぐ時間”を求めている30代女性に、
手触りや温かみを感じられる日本製の雑貨を通じて、
“自分を大切にできるひととき”を提供する。
結果として、お客様は『また来たい』『誰かにプレゼントしたい』と思えるようになる。」
お客様が動くのは、“自分のためになる”と感じたとき
事業コンセプトとは、
「売る人の決意表明」ではなく、
「買う人の行動の引き金」になるべきです。
お客様の暮らしや感情に、
どれだけ寄り添えているか?
その視点を入れるだけで、驚くほど反応が変わります。
最後に|見直すべき3つの質問
- 「うちの商品は、誰のどんな悩みを解決しているのか?」
- 「買ったお客様は、どんな気持ちになれるのか?」
- 「それを一言で表すと、どんな言葉になるか?」
もしこの質問に答えづらいようなら、
今こそ事業コンセプトを見直すタイミングかもしれません。