コンセプトには階層がある?──迷路から抜け出す3つのヒント

物語のはじまり
ある日の夕方。
製造業を営む田中社長(仮名・52歳)は、オフィスで一人ため息をついていました。
「ビジネスコンセプト、ブランドコンセプト、プロダクトコンセプト…。結局、うちは何を打ち出せばいいんだろう? コンサルからは“もっとブランドを強化しましょう”と言われ、社員からは“商品の良さを前面に出すべきです”と主張される。結局、どこから手をつければいいのか分からなくなってきた…」
白板には「理念」「ターゲット」「強み」「USP」などの言葉が乱雑に書き残され、頭の中もカオス状態。まるで地図のない迷路に迷い込んだようでした。
問題の原因は「誤解」と「思い込み」
多くの経営者が陥るのは、コンセプト=ひとつの言葉で片がつくものと思い込むことです。
しかし実際は、コンセプトには“階層”があります。
- ビジネスコンセプト:会社そのものの存在意義や方向性
- ブランドコンセプト:その会社をどう見せたいか、どんな印象を与えたいか
- プロダクトコンセプト:具体的な商品やサービスでどう価値を伝えるか
これを「全部同じレベルで考えよう」とすると混乱が生じます。
まるで、マンションの1階・2階・3階の図面を一枚に重ねてしまい、「どの部屋がどこにあるのか分からない」状態になるようなものです。
解決策:階層を整理するだけでスッキリ!
解決のカギは、階層を“縦に並べる”ことです。
- ビジネスコンセプト(地盤)
「私たちは何のために存在しているのか?」を定義する。
例:地域の中小企業に“売れる仕組み”を提供する会社 - ブランドコンセプト(建物の外観)
「どんな印象で覚えてほしいのか?」を表現する。
例:“看板商品仕掛人”としての親しみやすさと信頼感 - プロダクトコンセプト(部屋の中身)
「具体的にどんな商品・サービスで価値を届けるか?」を設計する。
例:看板商品設計プログラム、経営自在塾
こうして“階層”を分けて考えると、頭の中のもやもやが一気に晴れます。
重要なのは「上から順番に考える」こと。地盤が弱ければ建物は揺れ、外観がぶれていれば中身も伝わらないのです。
次の行動へ
もしあなたも今、田中社長のように「コンセプトの迷路」に迷い込んでいるなら、まずは自社のコンセプトを3階層で整理してみましょう。
頭の中の混乱を紙に落とすだけで、明日の経営判断が驚くほどスッキリしますよ。