お客様は神様!?ではありません!
まだ僕がサラリーマンだった頃の話をします。
あるスーパーマーケットのバイヤーさんと商談をしていたときの事です。
バイヤーさんは強硬に値引きを要求してきました。
バイヤーさんは言いました。
「○○(競合メーカー)よりも安くしないと、希望の数量を仕入れることはできない。それに周りの競合店と同等の価格で売るには、この価格で仕入れないと売価設定できない!」
僕は小売価格を下げることも、仕入価格を値引くことも承諾したくありませんでした。
案の定、交渉は決裂。
その月の僕の成績は惨憺たるものでした。
僕は値引きをして、廉売を許容したほうが良かったのでしょうか?
コモディティ商品では競争に勝つため、その方がいいのかもしれません。
しかし、価格競争ではメーカーも問屋も小売店も、そして必要ないものまで買わされてしまう消費者も、誰も勝者にはなれません。
今後、D2Cがますます勢いを増す世の中になれば、価格は誰が決めるのでしょうか?
もちろん売り手が価格を設定するわけですが、売れるかどうかが問題です。
その商品の価格と価値は常に釣り合っていると思いますか?
実はそうではありません。
買い手の価値観と価格が合致する場合のみ、釣り合います。
買ってほしいと思うお客様の価値観に照らして、高すぎても安すぎても売れません。
売りたい数量と売りたい価格と買ってほしいお客様が揃った時、売り手の思った通りの商売ができるのです。
売り手は価格を提案することはできますが、価格を決定することはできません。
価格を決定するのはお客様です。
しかし全てのお客様の希望する価格を設定することはできません。
買ってもらいたいと思うお客様にのみ、買ってほしい価格を提案して、その価格で買うかどうかを決めるのは、当たり前のことですがお客様です。
特にD2Cでは買ってもらいたいお客様にだけ買っていただければいいのです。
全てのお客様の全ての要望を聞くことはそもそも無理なことです。
だからお客様は神様ではありません。